血糖値が上がる原因となる「糖質」
現在、「血糖値が上がりにくいオリゴ糖」や「低カロリーの甘味料」といったことばをお菓子や飲み物などの商品で見かけます。
「オリゴ糖ってなに?」「本当に食べても平気なの?」「信じて良いの?」
と患者さんから良く聞かれます。
今回はそのような質問にお答えできるようにするために、私自身「糖質」を正しく知るために一度まとめてみました。今回は糖質の種類など基本的なことを書いていきます!
【糖質の種類】
図のように、糖質は大きく5種類に分けることができます(細かく分けるとまだまだたくさんあります)。
①②をまとめて糖類、①~⑤をまとめて糖質、糖質に食物繊維を合わせたものを炭水化物と呼びます。①~⑤ごとにたくさんの種類がありますが例を挙げてみますと、単糖には糖尿病患者さんが低血糖対策で携帯される「ブドウ糖」二糖には「砂糖」、多糖には芋などに含まれる「でんぷん」などがあります。種類によっては、さわやかな甘さだったり苦みのある甘さだったりなど甘味の性質も変わってきます。多糖などは甘味を感じないこともあります。ちなみに糖分という言葉には明確な定義はなく、甘さを示す曖昧なことばです。
【糖質の消化・吸収】
次に、糖質を食べると体でどのように消化・吸収されるかまとめてみました。ちなみに栄養学的には、栄養素を身体に取り込むことを吸収、吸収しやすくするために細かく分解していく事を消化と呼びます。
糖質は、基本的に単糖の状態になるまで消化されてからはじめて小腸で吸収されます。二糖以上の糖類は単糖にしなければならないので、①唾液アミラーゼ②膵臓アミラーゼ③小腸の消化酵素(多数あるので名前は割愛)の酵素によって消化されます。
ちなみに、ごはんをよく噛むと甘味が増してくるのは、ごはんのでんぷん(多糖)が唾液アミラーゼで消化されていくからです。ちなみにちなみに、ブドウ糖は単糖なので消化する必要がなく、いち早く吸収されるため、糖尿病患者さんの低血糖対策として利用されているのです。
ネットを漁っていると、「この糖分はは胃で消化吸収できないので血糖値が上がらない!」のような記載が見られたりしますが、そもそも胃には糖質を消化する酵素はないですし、吸収もできません…。とつっ込みたくなりますし、商品の信用自体が薄くなります…
では、上記の図では単糖・二糖・多糖の動きですが、オリゴ糖や糖アルコールはどのように動いていくのでしょうか…?次回へ続きます。