睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気です。原因として脳神経などに問題があって呼吸が乱れる「中枢型」、肥満や顎の骨格、鼻や扁桃腺などの問題により気道閉塞が起こる「閉塞型」、その2つが合わさった「混合型」があります。

 

低酸素状態や睡眠不足によるストレスにより自律神経や一部のホルモンの働きに異常が起こることで高血圧、糖尿病、脂質異常症などの様々な生活習慣病にかかるリスクが増加します。またそれに伴い心臓への負担や動脈硬化が強くなることで心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなりますので、それらの疾患を予防するため、睡眠時無呼吸症候群がある場合はその治療や合併症のチェックを行うことが重要です。

 

睡眠時無呼吸症候群の症状


次に挙げるものが典型的な症状となりますが、複数当てはまる方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

 

(1) 家族の方などからいびきを指摘されている

(2) 夜間睡眠中によく目が覚めてしまう

(3) 起床時の頭痛や体のだるさ(倦怠感)

(4) 日中の強い眠気

 

睡眠時無呼吸症候群の検査


睡眠時無呼吸症候群では後述の検査による無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index: AHI)の数値等を元にその診断や重症度判定がなされ、AHI 5以上15未満(回/時)が軽症、15以上30未満が中等症、30以上が重症と分類されます。睡眠中の呼吸停止時間、酸素濃度低下の度合いなども参考といたします。

 

TEIJIN Medical Webより引用

 

当院では簡易検査(アプノモニター)を実施しており、お申込みいただくと検査機器がご自宅に郵送され、一晩装着の上返送していただくことにより診断が可能となっております(検査結果が当院に送付されるため外来にて結果をご説明およびお渡しします)。

 

 

後述するCPAP治療の適応をより詳しく判断するため精密検査(ポリソムノグラフィー検査: PSG検査)が望ましいと思われる方は、専門医療機関へ紹介させていただいております(原則入院検査が必要となります)。

 

睡眠時無呼吸症候群の治療


上述の簡易検査でAHIが40以上、もしくは精密検査でAHIが20以上と診断された場合は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway Pressure: CPAP)の保険適応となります。CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法で、適応があり希望される方は当院にて治療の開始、継続が可能です。診察時に1か月間のAHI、使用率、空気の漏れなどを解析したレポートをお渡しの上、説明いたします。

 

 

また肥満が原因となっている場合は食事療法や運動療法による減量が有効でそれだけで劇的に症状が改善する場合もあり、鼻や喉に構造的な問題がある場合は手術療法が行われる場合もあります。

 

 

さわやか内科クリニック