甲状腺腫瘍について

甲状腺腫瘍と症状


甲状腺は前頚部にある臓器ですが、文字どおりそこに腫瘍(しこりのようなもの)ができる疾患のことを言います。

 

 

健康診断・人間ドックの触診や超音波検査で発見される場合がある他、ある程度以上の大きさがあると外観上前頸部が膨らんで見えたり、違和感を自覚する場合があります。原因は不明なケースが殆どですが、放射線への被爆や遺伝子の異常が原因の一つとして考えられています。

 

 

甲状腺腫瘍には良性のもの、悪性のものがあり、具体的には下記のような疾患が挙げられます。

 

[良性腫瘍]

濾胞腺腫、腺腫様甲状腺腫、嚢胞など

 

[悪性腫瘍]

乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、未分化癌、悪性リンパ腫など

 

 

検査


診察上甲状腺の腫れや腫瘍が疑われる場合、まず超音波検査を行い甲状腺自体や甲状腺腫瘍のサイズ、血流、内部の性状などを調べます。また血液検査を行い、甲状腺ホルモンの量が多すぎたり少なすぎたりしないかその数値や、甲状腺腫瘍のマーカーと言われる「サイログロブリン」の数値を調べたり、バセドウ病や慢性甲状腺炎の指標となる抗体を調べる場合もあります。

 

甲状腺腫の大きさが一定以上(概ね2cm以上)であったり、性状で悪性が疑われる場合、経過観察中にサイズが明らかに大きくなってきている場合は穿刺吸引細胞診(皮膚から甲状腺まで針で穿刺して細胞を取る検査)を行い、良悪性を鑑別して外科的治療の必要性を判断する事が望ましいケースもあります。

 

より精密な診断や転移の評価のため頚部を中心としたCT検査、甲状腺シンチグラフィーなどを行う場合もあります。穿刺吸引細胞診、CT、シンチグラフィーなどの精密検査が必要と考えられる場合、当院から専門医療機関を紹介させていただいております。

 

 

治療


良性腫瘍の(可能性が高い)場合は基本的に経過観察を行いますが、サイズが大きく圧迫症状があったり、機能性結節(ホルモンを産生する腫瘍)の場合は手術が検討されます。

 

悪性腫瘍の場合は手術による切除を基本として、再発や転移がある場合に放射線ヨウ素内用療法を併用するケースがあります。

 

 

さわやか内科クリニック