妊娠糖尿病について

診断基準


妊娠中の血糖スクリーニングで概ね95~100mg/dLを超えている場合、糖負荷試験の適応となります。

 

 

糖負荷試験において血糖値が、

 

負荷前:92mg/dL

60分後:180mg/dL

120分後:153mg/dL

 

のいずれか1箇所でも基準値を超えると妊娠糖尿病の診断になります。

一般的な糖尿病の診断基準と比べると基準が厳しくなっています(基準を満たしやすくなっています)。

 

合併症


妊娠中の血糖値上昇は母児の合併症の原因となり、下記のようなものが挙げられます。

 

・母体の合併症:早期産、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、肩甲難産、帝王切開率の増加、など

・胎児の合併症:流産、先天異常、巨大児、子宮内発育不全、胎児機能不全 など

・新生児の合併症:低血糖症、多血症、呼吸障害、心肥大、遷延性黄疸 など

 

血糖管理の目標


合併症予防のため厳格な血糖管理が必要ですが、糖負荷試験で血糖値の上昇があっても普段の生活の中では血糖値が上昇していないこともあります。受診時もしくは自宅での自己血糖測定にて血糖値を確認します。

 

 

妊娠中の血糖値の目標は、

食前:70~100mg/dL

食後2時間:120mg/dL未満

となっています。

 

治療


(1) 食事療法

妊娠前の身長・体重、妊娠週数に応じて1日の摂取エネルギーを決めます。

妊娠の進行により必要なエネルギー量は変化します。

食後血糖値が高い場合、カロリーはそのままで1日の食事回数を増やすこともあります(分割食)。

 

 

(2) インスリン療法

食事療法のみで血糖管理が不十分な場合はインスリン治療が必要となる場合があります。

血糖を下げる内服薬は妊娠中の使用はできません。

 

 

出産後の血糖管理


多くの場合産後には血糖値は元の状態に戻りますが、妊娠糖尿病となった方は将来糖尿病を発症するリスクが高いことが知られています。

 

産後2-3ヶ月後に糖負荷試験を行います。その後も定期的な健診または受診が望ましいです。また、次回の妊娠時も血糖が上昇する可能性が高く、妊娠前に血糖コントロールの確認が必要です。